静かな退職中に使える「教育訓練給付金」——学び直しの費用を国に肩代わりしてもらう方法

静かな退職期間はリスキリングの好機。教育訓練給付金の種類・対象講座・申請の流れをわかりやすく解説する。

「静かな退職」中こそ、学び直しに国のお金を使う

会社への熱量を意図的に下げ、最低限の業務だけをこなしながら次のキャリアを見据える「静かな退職」期間。この時間を漫然と過ごすか、次の転職につながるスキルアップに充てるかで、その後の年収は大きく変わる。そして意外と知られていないのが、厚生労働省の「教育訓練給付金」制度を使えば、資格取得やスキル講座の受講費用の多くを国に負担してもらえるという事実だ。

教育訓練給付金には3つの種類がある

この制度は対象講座のレベルによって給付率が異なる。自分が目指すキャリアに応じて、どの区分の講座が使えるかを確認しておこう。

  • 一般教育訓練給付金:受講費用の20%(上限10万円)を支給。簿記やTOEIC対策、Webデザインなど幅広い講座が対象
  • 特定一般教育訓練給付金:受講費用の40%(上限20万円)を支給。介護職員初任者研修や大型自動車免許など、即戦力になりやすい資格が中心
  • 専門実践教育訓練給付金:受講費用の最大70%(年間上限56万円)を支給。看護師・社会保険労務士・ITエンジニア養成講座など、専門性の高いキャリアチェンジ向け講座が対象

誰でも使えるわけではない——受給要件を確認する

この制度を利用するには、雇用保険の被保険者期間が一定年数以上あることが条件になる。初めて利用する場合は通算1年以上、過去に利用したことがある場合は3年以上の加入期間が必要だ。静かな退職中で在職している人はもちろん、退職後1年以内であれば条件を満たせば申請できるケースもあるため、退職を検討している人ほど早めに確認しておきたい。

申請の流れ——在職中でも動ける

手続きは決して難しくない。まずハローワークで自分が対象になるかを確認し、受講したい講座がその制度の対象講座に指定されているかを検索する。在職中でも申請・受講は可能なので、「静かな退職」で確保した時間的・精神的な余裕を使い、平日夜間や土日に開講しているオンライン講座を選ぶ人が多い。修了後にハローワークへ申請書類を提出すれば、指定口座に給付金が振り込まれる仕組みだ。

何を学べば転職市場で評価されるか

制度を使うこと自体が目的化してはいけない。重要なのは、次の転職で「使えるスキル」として評価される講座を選ぶことだ。ITパスポートやAI活用に関する講座、中小企業診断士など、転職エージェントに相談すると求人票で評価されやすい資格を教えてもらえることも多い。給付金の対象講座を選ぶ前に、一度キャリア相談で市場価値の高いスキルを確認しておくと無駄がない。

まとめ

静かな退職の期間は「やる気を失った時間」ではなく、次のキャリアへの助走期間にできる。教育訓練給付金という国の制度をうまく活用し、自己負担を抑えながら市場価値を高めるスキルを身につければ、静かな退職はそのまま「静かな逆襲」の準備期間になる。

まず動いた人が、先にキャリアを逆転させています。

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